六月大歌舞伎初日 染五郎さんの「信康」観劇してきました

私の好きな物

6月2日(木)、6月大歌舞伎第二部を観劇してきました。お目当てはもちろん染五郎さん。染五郎さんと祖父である松本白鷗さんが共演する「信康」は初観劇です。私自身、今年初の歌舞伎座、そして初の初日の観劇ということでワクワクしながら歌舞伎座へ。鎌倉殿の13人ではすっかり青年となった様子の染五郎さんが、どんなお芝居を見せてくれたのか、超主観でレポートします。

「信康」について

今回染五郎さんが初主演を務めた「信康」は徳川家康の長男で、その父である家康を務めたのが松本白鷗さんでした。

「信康」は父と子の心の葛藤を描く徳川家悲運の物語とあります。信康は若いながらも優れた資質とその器量ゆえに、織田信長から警戒されてしまいます。父である家康は、信康を始末するよう命じられますが、そんな信康は我が子を助けようとする父の気持ちを知りながらも、家の為に自らの命を差し出す決心をします。

天下統一目前の織田信長に抗うことができずに苦悩する家康と、家のために潔く生きる信康の時代に翻弄された親と子の運命をドラマティックに描いた物語です。

歴史音痴の私なので、この信康については全く知りませんでした。歌舞伎座での初上演は昭和49年の3月で2度目は平成8年の9月。この時に信康を演じたのは今の海老蔵さんであり、家康はお父様である團十郎さんでした。そして今回が3度目の上演となっており、上演時間は約90分です。

「信康」観劇後の感想

久し振りの染五郎さんは相変わらずすらっとして、立っているだけで涼しげ。身長も大分大きくなられ、声も以前よりよく出ていると感じました。

お芝居の前半で見せる溌剌とした若者らしさと、後半では苦悩を抱え悩む様子をしっかりと演じ分けられ、涙を誘うストーリーも相まって、染五郎さんの成長ぶりに胸が熱くなります。

狩りを楽しんだり、お嫁さんとお姑さんの板挟みになる信康の様子は若者らしさに溢れ、等身大の信康を見せてくれました。

後半では物思いに沈む信康ですが、染五郎さんほど儚さが似合う役者さんは他には見当たらないなぁと観劇中に改めて強く思った私です。

眼鏡ごしに何度もオペラグラスを覗いては、その美しさに魅せられながら染五郎さんの苦悩の表情を堪能しました。

この信康では主役ということもあり、約90分の上演中、染五郎さんはほぼ舞台の上にいます。これから約1カ月間、体調に気を付けながら無事に勤め上げられることをお祈りします。

第二部の演目は、「信康」と「勢獅子」。「信康」の後の「勢獅子」は「信康」とは打って変わって爽快な舞踏ものです。三味線と唄に合わせて賑やかに踊り、獅子も登場します。「信康」では信康の嫁であり、織田信長の娘でもある徳姫を演じた莟玉さんが「勢獅子」にも出演されており、莟玉さんを2度も堪能できる有難い演目でした。

初日の歌舞伎座は特別

何度も足を運んでいる歌舞伎座ですが、初日は今回が初めて。

初日ならではの賑わいぶりに観劇前からワクワクしてしまいました。

歌舞伎座にも「本日初日」と書かれた幕が掛かっています。強い日差しが照り付ける中、着物をお召しのお客さんがいつにも増して多くお見えになっていたのもいつもと違うところ。更にドレスアップをしたお客さんが多く、劇場前がとても華やかな印象です。

嬉しかったのは、初めて歌舞伎座に来たらしい20代と思しきお客さんもちらほらと見掛けたところ。染五郎さんを見に来たのかなーなんて勝手に想像してしまいました。

そんな中、開演前に歌舞伎座の写真を撮っていた私はクリーム色のお着物をお召しの染五郎さんのお母様を発見!

鎌倉殿の13人や、三谷幸喜の新作歌舞伎でも染五郎さんと共演をしていた八嶋智人さんとお話をされていました。歌舞伎に限らずお芝居の劇場でも芸能人はよくお見掛けしますが、この日もきっと大勢いらしていたのかも知れません。

3階A席からの景色

この日の私は3階A席の前から2列目でした。この席からだと花道はほぼ見えません。下にいるお客さんの歓声で、花道の様子を伺う感じです。そして大向こうの声を聞くことが出来ないのはやはり淋しいです。今月末には2階2等席でもう一度観劇予定の私。2階席からの舞台の様子も忘れずに写真に収めてきたいと思っています。

今年の八月納涼歌舞伎

この日、歌舞伎座内に貼り出されていたポスターで、八月納涼歌舞伎の演目と配役を見て、飛び上がるくらいに嬉しい気持ちになりました。というのも、猿之助さん脚本・演出の、「東海道中膝栗毛 弥次喜多流離譚(やじきたリターンズ」が復活してるんですもの!猿之助さん、幸四郎さん、團子さん、染五郎さんの4人で繰り広げられるドタバタ劇?に期待が高まります。

私は平成30年の八月納涼歌舞伎から「東海道中膝栗毛」シリーズを見てきました。それまで敷居の高さを感じていた歌舞伎に対して、歌舞伎って何でもありでこんなにも面白いのかーと思わせてくれたのがこの「東海道中膝栗毛」です。

イヤホンガイドの必要もないし、当時流行っていたDA PUMPのUSAを踊ったりと、まさに旬が詰まったお芝居で、難しいことは何もなくただただ笑って見ていられるというもの。歌舞伎初心者さんには特におすすめです。

 

染五郎さん初の主演舞台「信康」はまだ始まったばかりです。6月27日まで歌舞伎座で上演されているので興味を持たれた方はぜひ劇場に足を運んでみて下さいね。午後2時15分開演、17時頃には終わります。これからの活躍がますます楽しみな染五郎さん、ぜひ一緒に応援しましょう!

 

それでは、本日も良い1日にしていきましょう!

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