六月大歌舞伎千穐楽 染五郎さんの「信康」観劇の感想

私の好きな物

6月2日(木)から始まった六月大歌舞伎、27日(月)に千穐楽を迎えました。

歌舞伎座で初の主演を務めるということで、とても楽しみにしていた「信康」ですが、私は初日と千穐楽の2度も「信康」を観劇することが出来、良い誕生月を過ごすことが出来ました。

2度目の観劇も楽しみにしていましたが先週末からの暑さの中、14時15分開幕の昼の部に合わせて外出するのはなんとも辛かった…きっと上演中に寝てしまうんだろうなぁという予感を抱きつつ、歌舞伎座へいざ出発!

地下鉄の改札を出るとそこはもう歌舞伎座へ続く通路なので、すでにちょっとした高揚感を味わえます。歌舞伎座脇の可愛らしい歌舞伎稲荷神社もパシャリ!

 

 

初日とはお客さんの雰囲気も変わって、あまり着物姿も見かけなかったなぁという感じ。

地下から地上に出た瞬間にあまりの眩しさに目がくらみますが、千穐楽の歌舞伎座の写真を撮らねば!と思い正面へ。

 

 

初日同様、染五郎さんのお母様を発見しました。黒のお着物をお召しでしたが、染五郎さん同様、お母様も涼し気なご様子で素敵でした。

肝心の舞台ですが、1度観ているためセリフや場の状況の理解がとってもスムーズ。

やはり2度目はお芝居に集中できるので、1度目では気づかなかったことに気付いたり、衣装や舞台装置などもしっかりと見る余裕が出来るのが嬉しいところ。

染五郎さんはいつ見ても涼やかで素敵ですが、この日ももちろん素敵でした。

青く爽やかな着物に合わせた青い結い紐がとってもお似合いです。

序盤で見せる信康の、若く快活な様がしっかり表現されていると思いました。

そして信康の御台「徳姫」を演じられた莟玉さんの可愛らしいこと。

初日にもちゃんと見ていたつもりでしたが、莟玉さんの徳姫を観れて良かったなぁと改めて思ったところです。

信康が徳姫の父である織田信長に宛てた手紙について、徳姫に問いただしているシーンの最後、信康の手が徳姫の頬に触れる場面があります。

私としては、こんなシーンあったっけ?となりましたが、きっと1度目はオペラグラスで染五郎さんしか見ていなかったので気付かなかったのかも知れません。

染五郎さんの手と莟玉さんの手が重なるシーンでは莟玉さんの手がいい感じに染五郎さんより小さく見えてなんだかドキっとしてしまいました。

このシーンは自分の夫である信康が、自分の父である織田信長により押し込めとされてしまい、その後永遠の別れを迎えることを予見させるせつないシーンです。

話の筋を理解していればこそ、よりそのセリフや仕草にグッとくるものを感じてしまい、もう一度見たいお気に入りのシーンとなりました。

 

眠気と戦いながら第一場はしっかりと目に焼き付けたものの、第二場では睡魔に負けて寝てしまった私。

観劇2度目あるあるですが、話は分かっていると思って油断が出てしまうんですよね。

大切なのは話の筋じゃなくて、目の前の役者の演技だというのに…

第三場では信康が白装束で登場するシーンから始まります。

ここからは緊張感が増してさすがに眠気も吹き飛びました。

信康の最期を見届け、家康という人について少し考えたりしながらと、心地よい余韻のあるお芝居でした。

傍ではすすり泣きも聞こえる位、染五郎さんと白鷗さんが信康と家康を演じきり、それを観ることが出来た幸せに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

六月大歌舞伎が上演されていた6月2日から27日までの期間に、休演日はたったの2日だけというなんとも過酷なスケジュール。

役者さんのみならず、関係者の方はほんとに大変な毎日を過ごされてきたと思うと、無事に千穐楽を迎えることは奇跡のようだとも思います。

ところで、同じ演目を何度も観ることを不思議がられることもありますが、私は何度でも観たい派です。

お芝居は映画と違って生のもの。

同じセリフ・同じ動きだとしてもやっぱり毎回違うものなのではないかと思っています。

映画だって何度も足を運びたくなるんだから、お芝居はなおさらです。

役者さんも毎回まっさらな気持ちで演じて下さっているのかも知れませんが、私のようなただのお客さんでも座席の位置や周囲のお客さんの雰囲気で、その舞台の印象はガラッと変わります。

 

 

初日は3階席から観劇した私ですが、2度目の千穐楽では2階席後方から観劇しました。

2階席と比べると3階席の方が座席数も多いので、とても賑わっているように感じられましたが、千穐楽の2階席はお客さんはちらほらといった様子。

1等席である2階の3列目位まではお客さんがいますが、その後ろに座っているお客さんはほぼいませんでした。

私の座っていた2階席後方の2等席にようやくちらほらといった感じです。

周りに気を使わずに観れるという点では良いのですが、3階席のような活気も捨てがたいと思うわがままな私です。

八月の納涼歌舞伎はどの席から観ようかなぁと悩んでしまいます。

歌舞伎に限らず、舞台や音楽など、やっぱり生のものって楽しくっていいですね!

感染対策をしっかりしつつ、いろいろ楽しみたいですね。

 

それでは、本日も良い1日にしていきましょう!

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