日にちが決まり、プランはお互い出し合うことになった。
私はプランニングが大好きで、大抵の場合私のプランにより行先が決まるのだが
彼女との間では彼女のプランに乗ることも多かった。
お天気にも恵まれたその日は彼女のプランで
ちょっと郊外へランチに行くことになった。
運転の得意な彼女が車で迎えに来てくれる。
少し小柄な彼女だが、乗っている車はいつも大きくて
黒いピカピカの４WD で現れた。
2年ぶりだけど運転席から乗り出して手を振ってくれる様子は変わりなく
久しぶりだね！とは言ったもののお決まりのセリフ位の軽さ。
助手席に乗ったとたん賑やかなおしゃべりが始まった。
まずは近況報告。
この2年間、コロナで本当に何処にも行けてないのだけど
家庭内では色々と状況も変わってまず何から話したらいいのかと思う位。
子ども2人とも同じ学年なのでまずは下の子どもの就職を報告しあう。
仕事の愚痴も違う職場で職種も全く違うのになぜか同じ不満で笑ってしまった。
平日で道路も空いていたのであっという間に目的地に到着した。
そこは酒造会社が経営するレストランだった。
築450年の古民家を移築したダイニングレストランの他
パン屋さんがあり、もちろん日本酒やビール、それにあうウインナーなども売っている。
パンが大好きな私ももちろんパンを買う。
お酒は全くの飲めないのだがその日の朝に仕込んだというお酒も買ってみた。
ランチの予約時間まではまだ余裕がある。
それを見越して早く到着しているので敷地内をあちらへこちらへと移動する。
木々を通り抜けると目の前にはこじんまりとしたギャラリーショップの入り口があった。
湘南地域の作家やアーティストの作品やヴィンテージ家具・小道具の販売もしているらしいのだが・・・
ショップの入り口には「商品入れ替えの為休業」と紙が貼ってあった。
中では忙しそうな店員らしき人達の動いている様子が見える。
えーーー??? とショックを隠せない彼女だったが不定休とあるので仕方ない。
どうやら焼き物などを見たかったらしいのだけど・・・
そういえば数年前から焼き物もやっていたよねと思い出す。
お互い熱しやすくて興味を持ったらすぐに飛び込みがちなのだ。
ここ数年、彼女は焼き物とゴルフに夢中のようだが
私はレース編みに悪戦苦闘中である。
私たちはちょっと早いけどレストランへ向かった。
天井が高く落ち着いた雰囲気の店内はお客さんで一杯だった。
なんだか懐かしさも覚える風景は新鮮でもあり
ちょっとそわそわしてしまった。
地野菜とパスタももちろん美味しかったけど
やっぱり一緒に食べる相手が最高のスパイスだよねと思う。
彼女と会う度に私が抱いていた一方的な偏見を可笑しく思い出す。
まさかこんなに長くお付き合いが続くなんてね。
あの時何度も話しかけてくれて本当にありがとう。
1度きりだったらその後の私の人生は全く違うものになっていたと思うから。
しっかり家の前まで送ってもらい、彼女の大きな車を見送った。
これからもずっとよろしくね！
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